1986 昭和61年 手間犬ラブと滑稽なる滑落の悲劇
—放射能の雨が降り続く一年、三度目久々の鳳凰縦走—
1月 スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発
4月 ハレー彗星が接近
4月 チェルノブイリ原発、炉心融解事故
9月 土井たか子、社会党委員長就任
4月27日 新人歓迎 鷹ノ巣山
?月?日 春山 川苔山、本仁田山
6月14、15日 合宿訓練 六ツ石山
7月21日 合宿 南ア 北部 夜叉神峠から鳳凰三山
〜26日 (甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳はピストン)
10月1、2日 秋山 八ヶ岳 南部 阿弥陀岳
11月9日 晩秋 大菩薩嶺
3月21、22日 追い出し 六ツ石山(水根キャンプ場)
部長 内田修司 顧問 増坪一三 古沢佑一 奥 保善 鈴木智香久
1年生 (18回生) 澤渡朋之 田浪亜央江 本田浩司
2年生 (17回生) 内田修司 長谷川崇 清水俊雄 村上卓也 松野美佐
鴨下 潔 宮成節子
3年生 (16回生) 川村剛太 篠原京子 栗原信敬
部員数13名
<エピソード>
・新歓 幻の新人歓迎山行 1年生がいなかった!?
・春山 1年生の田浪さんと澤渡君がしょっぱなから遅刻した
・ 畑中OBが落石をたくさんした
・ 放射能の雨が恐怖だった
・合訓 長谷川君の激辛(?)スパイス
・ 先生とOBは山菜採りへ
・合宿 澤渡君のキセル
・ 奥先生が愛犬ラブを連れてきた
・ 江口OBが道を作った
・ 江口OBの足が2日目にして早くも臭かった
・ 澤渡君が「ちきしょー」と叫びながら歩いていた
・ 宮成さんが滑落した
・ 佐々先輩が助けに行くとき石をゴロゴロ落としてひんしゅく
・ ラブがテーピングをした
・ 奥先生が人間用の体温計を犬にも使った 手のかかる犬である
・秋山 「とまらないよー」
・たったひとりのB棟裏 田浪亜央江_生徒会副会長(実質的会長)
またも新1年生のいない新歓になってしまいました。18回生の澤渡朋之さんと田浪亜央江さんは入部していたらしいのですが、都合により新歓には行けなかったようです。よって春山が実質的な新歓になりました。この年から再び反省会の内容などを記したノートが残っているので細かな事が分かります。春山では小雨程度の雨が降ったそうですがチェルノブイリの事故の直後という事で「放射能の雨が恐怖だった」ということです。
合宿は南ア北部でした。そしてなんと言ってもこの合宿のアイドルは奥先生が突然合宿に連れてきた愛犬ラブです。1日目はやたらと元気で、他の犬にちょっかいを出されても全く動じないなどただ者ならぬ予感をさせましたが、2日目からダウン。最後には完全に足手まといになってしまったという事です。その奥先生は病気になった某部員(鴨下さんの事か?)を下まで送り届けたのにあっという間に追いついて来たことで部員を驚かしました。天候は梅雨明けが遅れたこともあり後ろの2日間を除いて雨に降られたようです。この他にも川苔山、八ヶ岳など一年中降られまくったことから「来年晴れなければ怒る」とは澤渡さんの言葉です。秋山では当事者たちの間において今でも笑いの種になる事件がありました。雨の赤岳の下りで「落ちたら完全に死ぬな」という崖っぷちの急斜面を走り降りようとして誤ってズルズルと滑落していった絶体絶命の清水さんが「とまらないよー」と緊張感の無い悲鳴を上げたのです。結局清水さんは江口OBに助けられましたが、これを目撃していた澤渡さんは「人間とはこうも滑稽に死んでいくのか」と思ったそうです。
ところで17回生の松野さんに続き18回生の田浪さんもまた総務の代表として多忙を極めていたので3学期になると実質活動している部員は澤渡さん一人になってしまいました。次年度の新1年生獲得に強い決意があったことと思います。それから増坪先生が女性と同棲しているらしいという噂が流れたのはこの頃の事だと推測されます。